「初回」の憂い

初めの手探り感はどうしても隠せないものだ。コンテンツというものは、たいてい、始まってから数か月または数年かけて徐々に洗練され、体系化され、効率化されていく。ゆえに、相対的に初期段階における成果物は垢抜けていないように見えてしまう。

 

事実、今この文章もかなり試行錯誤しながら書いている。そもそも、「~だ・である」調で書けばよいのか「~です・ます」調で書けばよいのかもわからない。文語的にきちんと書くべきか口語的にくずして書くべきか、その具合もつかめない。これだけの短い文章を書くのに、15分間くらい推敲している。

 

将来、この初回記事を見返したとき、スタイルや形式はその時のものとだいぶ違っているものになるだろう(書く習慣が続いていればの話だが)。そのことを「私はわかっていますよ」という気持ちを込めて、メタ的に初回記事をこのような内容にした。自分で見返したときのための予防線である。もし記事を古い順に読む人がいるのなら、デビュー作が常に代表作とは限りませんよということを伝えておきたい。